




2009/11/22(日) 13:00〜16:30
美の追求者 針谷建二郎 トークライブ&ワークショップ
自分の作品を通していい答えを生み出すためには、
クエスチョンのデザインがすごく大事。
制作過程ではつい答えばかり求めてしまうが、
問いがデザインできないと、いい答えも出せない。
今回のゲストは、ANSWR(アンサー)代表であり、
アート&クリエイティブディレクター針谷建二郎さん。
将来は「インフラ構造までデザインしたい」と話す同氏の、
「表現」、「デザイン」とは何か。これまでの経緯と本質的な考えに迫った。
2003年、当時25歳で「ADAPTER」としてフリーデザイナー活動を始めた針谷さん。
最初はイラストレーターとして、雑誌に挿絵を描く仕事から始まり、
「デザイナーへの憧れだけでやってきた。」と、
懐かしむように当時を振り返る。
運命の歯車を回した展覧会「Wall between the ART」+++++
その後、デザイナーとしてもっと世の中に出て行くために行った
初の展覧会「No Wall between the ART」が、
今後の活動の大きな転機となる。
展覧会の準備に取り掛かるや否やぶつかった壁は、展覧会資金。
熱い思いだけを胸に企業へプレゼンテーションに回ると、
なんとadidasとEDWINからの資金援助が得られる事になった。
展覧会には、当時人気だったアーティスト達をはじめ、
約600人もの人達が集まった。
「心が制御できないくらいに感動した。
こういうことを続けていくことが幸せだと思った。」
“信じた思いは必ず叶う”+++++
針谷さんの体験談は、
未来のクリエイター達の心を大きく動かしたに違いない。
クリエイティブカンパニー「ANSWR」の誕生+++++
2005年春にはWEB上でビジュアルフリーマガジン「Public/image.org(パブリック/イメージ.)」をスタート。
その後セレクトショップのアートディレクションを任されるなど、
展示会やマガジンをやってきたことが人との繋がりや仕事を増やしていった。
そして2007年、クリエイティブカンパニー「ANSWR」を設立。
目指したのは“混血のクリエイティビティー”
〜純血と混血のデザイン〜
「【ADAPTER】は針谷建二郎のデザインを表現するアシスタント集団であり、
デザイナーは針谷一人という“純血”の集団だった。
クリエイティブ集団【ANSWR】を作ったのは、
自分と同レベルのクリエイターを集めた
“混血”
の場を作りたかったから。
自分にないものを持っている人が集まると、
コミュニケーションは難しくなり、発見は多くなる。
相手とのコミュニケーション・伝達ミスが多くなるほど、
デザインの可能性を広げると思う。」
“e”のない答え、社名“ANSWR”+++++
バグ、間違いがあったほうがおもしろい。
デザインにおいて、伝達ミス、バグがあったほうが
新しい発見が生まれると思っている。
その思いを、社名にも込めてeのないANSWRと名づけた。
ANSWRとして2008年にはBUTON社キャンペーン、
2009年にはavexとのコラボでコンピレーションアルバム
「Public/image.sounds」を作成。
そして現在は、ANSWRとしてのワークをはじめ、
さまざまな展示会やライブ・撮影などの、
ギャラリースペースを東京に設置。
「ギャラリースペースを作ろうと思ったのは、
2010年からスタートする“10年代”に
2000年〜2009年までの“0年代”と
どういった差をつけることができるかを
すごく考えているから。」
未来を見据える針谷さんの眼差しは、
皆さんの目にはどのように映ったのでしょうか。
『一番大事に思う“水と器”の関係』+++++
水(=ソース、機能、コンテンツ)と、
器(=インターフェイス、装飾)の関係を考える事が
デザインにとって重要で、両方が反応し合っていることが大事。
インターフェース(器)とソース(水)の両面から考えて
デザインしていくことが重要で、どちらか一方に偏ってはいけない。
この二つは常に表裏一体の関係にある。
『デザインは全てに時間軸がある』+++++
結果だけを見るのではなく、
結果が出るまでのプロセスを想像できるかできないかがデザイナー。
それができるまでのアウトラインがデザインだと思っている。
ワークショップ+++++
その後行われたワークショップでは、
各自お気に入りのアーティストをチョイスして、
彼等のCDジャケットを作るというもの。
出来上がりのラフを見てもらいに、
針谷さんへと並ぶ列は途切れることが無かったほど、
みんな積極的な姿勢で臨んでいた。
発表の場面では、非常におもしろいアイディアだ!と、
針谷さんにお褒めの言葉を頂いた方もいて、
皆確かな自信に繋がる時間を過ごせた様子だった。
【ゲストへの質問】
Q.デザインのアイディアを出すために何か努力していることは?
A.「いろんなことにチャンネルを持っておくということ。
同ジャンルの中から新しいものは生まれない。
だから、イメージソースというものを
グラフィックの中だけで持たないことが大事。」
Q.針谷さんにとって、プロとは?
A.「プロの中で確実に光っている人というのは、
相手のことを考えている人。
仕事を継続させていくには、
相手を思う気持ちが無いとうまく進んでいかない。
同じように制作面においても、
問いに対して深く考えていかなければ“いい答え”は生み出せない。」
最後に、クリエイターを目指す皆さんにメッセージ+++++
「僕も悩んだり、この仕事に向いていないのかもしれないと
毎日思ってますよ(笑)。
けっこう名前が売れているデザイナーの人でも、
会って話をすると普通に悩んでいたりするし。」
「自信なんてみんな無いんだと思う。
でも、いい学校を出ているわけでも、親が凄いわけでもなく、
お金も持っていたわけでもない人でも
『ある程度あがいたら、今の僕のように、何かにはなったりするよ』
ということが伝われば本当に嬉しいし、
もっと伝えていきたいと思う。」
未来のクリエイター達に勇気を与えてくれた針谷さん。
自分を信じて頑張れば、あなたの夢もきっと叶うはず!
STUDIO MASTER PROFILE
針谷建二郎//クリエイティブディレクター / アートディレクター /フィルムディレクター
針谷建二郎
/クリエイティブディレクター / アートディレクター /フィルムディレクター
1977年群馬県生まれ。
2003年、グラフィック集団「ADAPTER」設立。
設立以来、
グラフィックデザイン、エディトリアルデザイン、
WEBディレクション、ミュージックビデオ、CMなどの映像ディレクション、フリーマガジン、WEBマガジンのクリエイティブディレクション など、
ジャンルを問わない多岐に渡る活動を発信し続けている。
またwebマガジンを主体としたクリエイティブレーベル「Public/ image.label」の主催者でもあり、
その活動範囲は年々広がりつつある。
2007年クリエイティブカンパニー「ANSWR」を設立。
5人程度で始めた「ANSWR」は、アートディレクション、
WEBエンジニアリング、ブランディング、ムービー、メディアなどの様々な業種のメンバーから成る不思議なクリエイティブ集団に育ちつつ ある。
2009年針谷は「ADAPTER」の活動を休止、
「ANSWR」でのクリエイティブディレクションを本格化。
グラフィックの領域を超え、
ジャンルを混ぜ合わせる作風を確立しつつある。
関連サイト>>
KENJIRO HARIGAI:ADAPTERANSWRpublic-image: